ブラッド タイプ

魔科学時代

　２人の少女、フェイトとグラリスも元は人間で戦争孤児だった。だが生きるため、２人はバイオヒューマンになった。いや、当時４歳だった２人にそんな判断はできない。させられたという表現が正しい。
「本当にこれで止めにするの？」
　ファフニールと呼ばれるランスの形状をしたバイオウエポンを手にグラリスは前を向いたまま呟くように聞く。
「ええ。お金のために戦うのは止める」
　スティンガーと呼ばれる処刑鎌の形状をしたバイオウエポンを手にフェイトも前を向いたまま呟くように言う。
　数多くの子どもたちの中から生き残った２人だが、例え生き残ったとしてもバイオヒューマンには様々な副作用やリスクが伴う。
　バイオヒューマンに例外なく発生するのは、１日に３度薬を飲まないと死ぬ、というリスクと、戦闘をしないと精神を保てない、という異常感状の２つだった。これ以外にも感状が不安感になったり極度に睡眠を欲したりと様々な症状が存在した。