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「わたしはどうしようかしら……」
オバサンはあごに手をあてて、迷う。生き返りたければ戻ればいいし、自分のしたいことをすればいいだけなのに、何事も一人では決められない質とみた。
ところが、一分もたたないうちにオジサンとおじいさんは帰ってきた。霧の中から再登場した二人はがっくりと肩を落とし、とぼとぼと歩く。駆けていったときと、まるで人がかわってしまったかのよう。何があったというのだろう。
「だめだ、道がなくなっていた」
オジサンは大きなため息をつき、その場にすわりこんだ。
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