第1章〈ここは冥府?〉

11/23
前へ
/426ページ
次へ
「確信はないですけれども、あたしはここは死後の世界だと思います」 「死後の……ばかな!」  メタボなオジサンが吐き棄てるように言った。 「そうじゃ。こんなところがあの世のわけがない」  おじいさんも頭から否定した。自分の死を告げられて、ああそうか、と認められるわけもない。気を悪くするのも当然だろう。  あたしは黙った。死後の世界だという証拠を提示できるわけでもなし。
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加