第1章〈ここは冥府?〉
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「確信はないですけれども、あたしはここは死後の世界だと思います」 「死後の……ばかな!」 メタボなオジサンが吐き棄てるように言った。 「そうじゃ。こんなところがあの世のわけがない」 おじいさんも頭から否定した。自分の死を告げられて、ああそうか、と認められるわけもない。気を悪くするのも当然だろう。 あたしは黙った。死後の世界だという証拠を提示できるわけでもなし。
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