冷たい情熱

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コックピットの薄暗い照明と、モニター画面のぼんやりとした明かりが、二人のクルーの顔を照らしだしている。 一人は、二十歳代後半と見える無精髭の男で、もう一人は、それよりも若く、二十歳前後といったところか、痩せた大人しそうな男だ。 その痩せた男が、眉間に神経質そうなシワを寄せ、怖ず怖ずと口を開いた。 「やっぱり、まずくないっすか? 単独行動なんて」 「構いやしねえよ。 あんな小僧の指図なんか聞いていられるもんかい!」 「でも・・・」
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