冷たい情熱

5/20
前へ
/749ページ
次へ
小隊長の叱責が、通信機越しに聞こえる。 煙りが吹き流され、敵戦車が、モニター上に再び姿を現した。 いつの間にか車体を旋回させ、こちらへ向き直っている。 アバエフ二等兵の上ずった声が、狭いコックピット内に響く。 「敵戦車の被害は、軽微のもよう。 発見されました」 「くそっ! 遠すぎたか」 「どうします? 分隊長!」 「どうったって、お前・・・」 ボハーチェク軍曹にも、特段の考えは無いようだ。
/749ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加