脇役はヒロインに恋をする

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あいつはまぁ一言で言えば主人公みたいなやつだ。 クールでイケメン。しかも運動神経抜群。実際バスケ部が全国大会に行けたのもこいつの力があったからだと俺は思う。 こいつと俺は中学校時代からの腐れ縁だ。 中学時代からなにかイベントがあると思うといつもこいつが隣にいる。 本当になにか力を隠し持ってるようで怖いよ。 こいつは周りの女子から氷の王子様とか呼ばれているらしい。 なんかクールでイケメンな感じからあだ名を付けたらしいが… まぁそのまんまだな。 最初にあだ名付けたやつでて来いよ。センスねーぞ! これからはみんなで無愛想サディスト(サドでも可!)と呼ぶことにしよう。 「だまれアベレージ」 「......っ!? びびった。いきなりなんだよ」 「いや、悪口が聞こえた気がしたから。何の特徴もなくてあだ名も付けようがない佐藤祐樹くんに」 こいつ…完全に聞こえてたよな? 本当に怖いよ、こいつ。 あ、そういえば俺の名前まだ言ってなかったね。 俺は佐藤祐樹。 成績平凡、運動神経普通。 別に隠れ才能とか暗い過去とかも持ってない、ふつーーの男子高校生です。 「……どうでもいいけどさ、なに?こんな所に呼び出して。俺にそんな趣味はねーぞ」 現在地体育館裏の大きな桜の木の下。 ここは何を隠そう我が校桜ヶ丘高校の名物告白スポットである。 「別に俺だってそんな趣味はねーよ。ここに呼んだってことはアレしかないだろ?」 「……はぁ。またかよ。俺この前、こういう話し全部断っとけっていってたよな?」 そういって優は溜め息をついた。 こいつは極度のめんどく下がりである。呼び出しをしても無視される事が多いので来てくれるケースは本当に稀だ。
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