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ーーーーーーーーside Yu
「頑張れ」
そう言って祐樹が女の子とすれ違う時に言葉をかけていた。
余計なことしやがって、本当にお人好しすぎるんだよ、あいつは……
女の子は緊張しているんだろうか、手足揃ってこちらに歩いてきていた。
女の子は新入生だろうか、見たことのない子だった。
「あ、あの!!」
第一印象は少し気の強そうな子。
髪の毛は肩ぐらいまで伸ばしており、若干茶色掛かった色で、やんわりアイロンで巻いたような感じだ。
まぁ、容姿なんてどうだっていい。
どうせ振るんだし。
「私と付き合いなさい!」
なんでこいつ命令形なんだよ。
ちょっとイラっと来たがまぁいいか。
「……無理。じゃあな」
それだけ言うと俺はその場を去る。
「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ!」
「部活あるし、忙しいから。じゃあ」
彼女言葉を背にそれだけ答える。
無論、部活なんて今日は無いんだが何だかバスケがしたい気分だった。
俺は体育館へ向う。
そしてまだ知らない。
運命の出会いが待っているなんて。
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