50人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ……勝手に体育館使ってごめんなさい! 誰もいなかったからついバスケットしたくなっちゃって」
彼女は頭を下げて謝ると、笑顔でそう言った。
「へぇ……。バスケット好きなんだ」
「うん!大好き!見るのも大好きだし、やるのも! でも私運動オンチだから全然できないんだよね~」
まぁさっきのシュート見てれば分かる。
全然ゴールに届いてなかったし、フォームも少しばらつきがあった。
……別に教えるつもりはない。
そんな事よりも自分が練習しないとな。
「……俺は練習やるけど、いい?」
「あ、ごめんなさい。じゃあ私は出ていくね」
これで練習が出来そうだな。
俺は足元に転がっていたボールを持ち上げ、ドリブルを始める。
ダムダムダム…
再び体育館に音が鳴り響く。
この聞き慣れた音……嫌いじゃない。
俺はドリブルしながらフリースローラインまで移動すると、そのままシュートの体制に入る。
身体のバネを使い勢いをつけ、指先でボールを弾く。
するとボールは綺麗な放物線を描き、そのままゴールリングへ入った。
……シュパッ
リングのど真ん中へ、綺麗に決まると本当に気持ちがいい。
最初のコメントを投稿しよう!