脇役はヒロインに恋をする

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「あ……勝手に体育館使ってごめんなさい! 誰もいなかったからついバスケットしたくなっちゃって」 彼女は頭を下げて謝ると、笑顔でそう言った。 「へぇ……。バスケット好きなんだ」 「うん!大好き!見るのも大好きだし、やるのも! でも私運動オンチだから全然できないんだよね~」 まぁさっきのシュート見てれば分かる。 全然ゴールに届いてなかったし、フォームも少しばらつきがあった。 ……別に教えるつもりはない。 そんな事よりも自分が練習しないとな。 「……俺は練習やるけど、いい?」 「あ、ごめんなさい。じゃあ私は出ていくね」 これで練習が出来そうだな。 俺は足元に転がっていたボールを持ち上げ、ドリブルを始める。 ダムダムダム… 再び体育館に音が鳴り響く。 この聞き慣れた音……嫌いじゃない。 俺はドリブルしながらフリースローラインまで移動すると、そのままシュートの体制に入る。 身体のバネを使い勢いをつけ、指先でボールを弾く。 するとボールは綺麗な放物線を描き、そのままゴールリングへ入った。 ……シュパッ リングのど真ん中へ、綺麗に決まると本当に気持ちがいい。
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