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「ひょっとして、ラブレター?」
彰太がにやりと笑う。
「これ、ちょっと見てみろよ。昨日帰ったら届いていたんだよ」
そう言って竜哉は赤い封筒から、丁寧に三折りされた便箋を取り出し、彰太に手渡した。
「なになに……?」
軽い気持ちで便箋を眺めた彰太だったが、そこには彰太の予想外の文章が、赤い手書き文字によって書かれていた。
『拝啓、赤羽竜哉様
7月15日、17時より、錬金術師の館にてお待ちしております。なお、お越し頂けない場合、あなた様の大切なものが失われます。ご来館、心よりお待ちしております。』
「何、これ」
彰太の正直な感想だった。彰太でなくとも、誰が読んでも意味がわからない。
「意味がわかんないだろ。大体、その何とかの館なんて読めないし」
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