3話 あの大人気主人公のように上手く扱えないなんて

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苦戦の末、何とか北斗の右手をテーブルに押し付けた。 でも本当にヤバかった、全力で力出さなかったら本当に負けてたのはこっちの方だった。 「くそ、あと一歩のところで…」 腕相撲に負けた北斗はかなり悔しがっている様子だった。 あ、そう言えば北斗が悔しがるところ、初めて見たな。 ふと気付くと戸塚部長が僕の前に立っていた。 「じゃあ今度は私ね、三人の仇取らせてもらうから」 すると何故だか部長の背中からオーラらしきものを感じた。 戸塚部長か、今までの相手より手強そうだな…… そう思いながらも僕はテーブルの上に肘を乗せスタンバイした。 そして戸塚部長もテーブルに肘を乗せ、試合が始まる。 審判はまた嵯峨野がやるみたいだ。 「では中十対戸塚部長の対決!よ~~~い…」 大丈夫だろ?三人も連続で相手にしたのに全然疲れが感じないんだ。 戸塚部長にだって、余裕に勝って… しかし、そんなうぬぼれた考えをした瞬間が僕の運の尽きだった。 !!!!! 急に握った手から急激に痛みが走った。 いや痛いと言うよりヤバイ!激ヤバイ!これ折れる!完全に折れそうなレベルだよ!! 「あ、あの部長…?ちょっと、待って欲しいです……流石に…これ以上力入れられると……」 「あら?勝負は正々堂々とやるのが礼儀だと言ったのはどこの誰でしたか?」 しまっっっっっっっっっっっっったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! 僕のバカァァァァァァァァ!!!!! しかも今気付いたけど部長の目が明らかに本気で勝ちにいく気の目だぁぁ! おワタ、これおワタ。 完全に負ける!ちょっと調子に乗りすぎた!
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