3話 あの大人気主人公のように上手く扱えないなんて

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「未来予知ですか~、あ、じゃ十年後先の未来とか見えるんスカ?」 あ、嵯峨野め、今のは僕が言おうと思ってたのに…… 「いいえ、流石にちょっとそれは難しいかな。未来って言ってもほんの数分ぐらい先しか見えないし、ていうよりも正確には見えるじゃなくて聴こえるって言った方が正しいかな」 見えるじゃなくて聴こえる? 僕は部長に質問してみた。 「あの、聴こえるって?」 「ええ、私もまだ詳しくは分からないんですけど、私のオサって未来が見えるんじゃなくって未来でその人が言う言葉を聴けるみたいなの」 「そうなんですか」 「て言っても、初めて能力を持ったからまだそんなにコツとか掴んでいないですし、聴けても声が小さかったり、口調とか速い時もあるから余りちゃんと聴けた試しも無いんですけどね」 なるほど、戸塚部長でもオサをすぐには上手く扱うようには慣れないんだな。 しかし驚いたな、この学校でオサを持つもの。通称オカの人が四人もいることに… いや僕と木慈山達の仲間のまだ顔も見たことがない一人も入れて合わせて六人。 しかも部室には僕を入れて三人もオカがいるんだ。これって実際はすごいことなんだろうなぁ。 とそんなことを思っていると、 「ねえみんな、ひとつ提案があるんだけど」 ん、南雲先輩また何かテーマを持ってきたのか? 「提案てなんだい?」 理夜先輩が南雲先輩に聞いてきた。 「うん、実はさ、 オサとかオカって名称変えない?」
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