3話 あの大人気主人公のように上手く扱えないなんて

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てか気づいたら他の奴らはみんな飽きたのか腕相撲始めやがったし…… もうこれ帰ってもいいよね? いっそのこと、こっそりとそのまま脱け出して…… だが当然そんな甘い考えで彼女から逃れられる訳がなかった。 「あっ、中十~!お前も腕相撲の相手しろよ~~!!」 南雲先輩、そのまま腕相撲に集中してりゃ良かったのに……。 「はい、分かりました」 まあどうせ帰してくれないと思うし、腕相撲に付き合うことにした。 「じゃまず私からね!」 と南雲先輩が右肘をテーブルの上に乗せ腕相撲の準備をした。 僕は腕相撲を始めるまえに、少し呼吸を整えた。 それじゃ一丁、格の違いとやらを見せてやるか。 「それでは少し手合わせお願いします」 そして僕もすぐさま右肘をテーブルに乗せ、先輩が出した右手を掴んだ。 ちなみに勝負の判決は嵯峨野がとることになった。 「ふふふ、腕相撲歴11年の私に勝てるとでも……」 「それではよ~い!」 「え、ちょっと朱里?まだセリフの途中…」 「はじめ!」 と嵯峨野が言った瞬間に勝負はついた。
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