まえがきにかえて

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F1がアメリカンレースからパクった物は他にもある。セーフティーカーの存在はアメリカのイエローコーションの劣化コピーにすぎないし、給油がつい最近まで解禁されていたのもアメリカンレースの燃費をもショーアップ要素にした精神をパクったものである。DRSでオーバーテイクを強引に増やす必要など、アメリカではほぼ必要ない(インディカーではオーバーテイクボタンが採用されてはいるが)。むしろイエローが多く出すぎて眠くなるほどである。 ………と、ここまでの話を聞けば、「F1を否定したいだけ」になってしまうので、F1の方も褒めるべきだ。 アメリカンレースにも、『絶対にF1に勝てるわけがない』部分がある。しかし、それは一般的ファンには理解しづらい事だろう。端的に言えば、『流通する金の量だけはF1は世界最高峰でありつづける』。 レベルというのは論ずるべきものではない。 勿論、F1はフォーミュラでは世界最高峰であることには異論はない。なぜなら、『インディカーはF1の劣化コピーを選んだ』のだから。 しかし、『アメリカ最後のアメリカンスポーツ』とまでされるNASCARはF1の正反対を貫いている。トラックも歴史も魅力も真逆だ。 これを「モタスポ」として一緒くたにするのは『サッカーとアメフトを同じとするぐらいに馬鹿だ』。 話を戻そう。F1はもうすでに世界三大スポーツと認定されているらしい。その三つは「オリンピック、サッカーW杯、F1」。 この三つを見れば、裏を勘ぐる神経の方ならすぐ分かるだろう。 その三つは「世界で最も華やかなスポーツイベント」ではなく、『世界で最も金を巻き上げているスポーツイベント』であるにすぎない。 オリンピックはあまりに人気になりすぎたり、マイナースポーツがこの金集めの祭典のみを生きがいにしている事などから、あまりお金のイメージはないかもしれない。 しかし実際に、ゴールデンタイムに競技を流したいアメリカのテレビ局のために午前決勝を行った例がある。 サッカーW杯とて、開催地決定に賄賂が飛び交ったなんて話はある。 そもそも、オリンピックのサッカーがU23なのは、サッカーW杯の利益がIOCに流れるのを恐れたFIFAの政略にすぎない。 F1は言わずもがな。もし発展途上国でF1をやろうとする。そうすれば、政府は喜んでお金を出してくれる。しかし、それでも足りない。なぜなら開催権料だけで50億をせがまれるのだ。
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