始まり

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「…ん……」 目を開けると、真っ白な部屋に消毒液のにおい。 僕…病院に運ばれたんだ。 「やっと起きたか。医者も過労からくる貧血だろうって言ってたぞ。」 「すみません…ご迷惑かけて…」 「体調管理気をつけろよ。お前だけの体じゃないんだからな」 マネージャーさんに肩を叩かれ、 「みんなにもだけど、山下にお礼言っとけよ。付きっきりで看てくれたんだから。」 「えっ…山下くんがですか?」 信じられない。あんなに避けられてたのに… 「そこで寝てるから、起きたらちゃんと言うようにな」 「はい…」 僕の後ろを指差して、携帯を片手に部屋を出て行った。 後ろに振り向くと、ソファーに横になって眠る山下くんがいた。 「山下くん…」 呼びかけても、起きそうにない。 僕なんかより、忙しいはずなのにどうしてここにいるの? 目が覚めたらまた僕を避けるの…? そばにいてくれてる嬉しさと、きっとまた僕を避けるんだ…という悲しさが心を締めつける。 けど、きっと今が話が出来るチャンスなんだ。 頑張るって決めたんだから頑張るしかないんだ。 そういい聞かせて、息を吐いた。
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