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次の日、雑誌の撮影でメンバーと…山下くんと会う。
「…どんな顔してればいいのかな」
いつもは、山下くんに会える、うれしい!って気持ちが勝つんだけど。
今日は、山下くんが怖いよ…。
「…おはようございます」
意を決して、部屋に入った。
やっぱり山下くんは僕を見てくれなくて。
わかってたけど、やっぱキツイや…。
泣きそうになってきて俯いてたら、
「おはよーさん」
「錦戸くん…」
頭をわしわし撫でて、小声で、
「ここで泣いたら負けやで」
錦戸くんの厳しくも優しい言葉に、背中を押されて頑張らなくちゃ、って気になってくる。
「負けませんよ、僕」
「よっしゃ、その意気やで!頑張りや」
「はい!」
錦戸くんに会釈したあと、まっすーの隣に座って一息つく。
頑張って誤解を解かなくちゃ!
誤解が解けたら、少しはこの想いが報われる気がして。
「よし!仕事だ!」
「手越気合い入ってんね~」
まっすーがびっくりした顔で見てるけど。
「そんなびっくりしてると置いてっちゃうよ」
「えっ、置いてかないでよ~υ」
オロオロしてるまっすーを置いて、山下くんに視線をやるけど、やっぱり僕を見てくれなくて。
ちょっとだけ胸が痛むけど、頑張るって決めたんだ。
『スタンバイお願いします!』
「「「「は―い!!」」」」
ふぅっと深呼吸して、僕は現場へと向かった。
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