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もうどの位遊んでたんだろう。
気付けば周りが暗くて。
いいかげん帰らないと、と思ってたら、いきなり後ろから知らない奴らに肩を掴まれた。
『おっ、誰かと思えば最近調子乗ってる手越じゃん!俺等にさ、言うことないわけ?』
言われてる意味が解らなくて、黙ってたらいきなり頬を殴られた。
『ホントお前生意気だわ。俺等のこと事務所にチクって追い出しやがって』
…!思い出した!僕がデビューする前、事務所裏で未成年なのにタバコ吸ってた人だ!
それを社員の方に伝えたら、その人達退所させられてた。
『事務所追い出されて高校も退学させられて、俺等の夢ぶち壊してくれちゃってさぁ…どう責任とるの?』
「僕は間違ったことをしたつもりはないし、あなた方に謝るつもりもありません。全てぶち壊したのはあなた方の責任でしょ!!」
『!!お前いいかげんにしろよ!!』
「うぐっ!……」
あちこち殴られて、僕は誰かの声が聞こえた気がした。そして意識を失った。
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『あ、クチの割には大したことねぇし。さて行こうぜ………っお前誰だ!!』
「お前等ウザイ、速攻消えろ。」
『!!!ぐうぅっ…』
―ドサ、バサリ。
「お前等のが大したことねぇし。」
たまたまドラマ撮影の合間に訪れた近くの公園で、からまれてるヤツがいて。
黙ってたら、手越はやられてて。
このアホ共2、3発腹を殴ってやったら即倒れたし。
手越どんだけ弱いんだよ。
「おーい、手越起きろよ」
呼びかけても起きねーし。
「このバカ商売道具に傷つけやがって…」
痛々しく赤く腫れた頬を撫でると、顔を歪めた。
「ホント変なヤツ」
弱いくせに強がって、すぐ泣くくせに意志が強くて。
手越のせいで少しずつ何かが変わり始めてる。
周りも俺も。
自分でもわかんねえけど、
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