362人が本棚に入れています
本棚に追加
静かに奴らの後をつける。
ほんの数分しか経っていないハズなのに、めちゃめちゃこの時間が長く感じる。
それだけ俺は焦ってんのか…
ひとり考えに耽っていると、急に前を歩いていたシゲが立ち止まった。
「山下くん!!建物に入って行きましたよ…ってあそこは事務所が新しく建てた練習場っスね…」
「あいつ等…そこに手越をっ!!!!」
「Σちょっ…山下くん落ち着いて」
今すぐにでも駆け出して行きたいのに、やっぱりシゲに止められて。
「ちょっとマネージャーとメンバーに連絡入れますから、それまで待機していて下さいよ!!」
そう言って、シゲはケータイを片手に少し俺から離れた場所で電話を掛け始めた。
こうしちゃいられない。シゲには悪いけど、大人しく待ってられる程俺は人間が出来てねぇんだよ…。
シゲが俺に背中を向けているうちに、俺はこっそりと練習場のドアを開けた…。
最初のコメントを投稿しよう!