返歌

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扉を開くと、まだしっかりと設備が整っていないのか、通路にはダンボールが山積みにされていた。       静かに耳を澄ませてみても、誰かがいる気配なんて全然しない。   むしろ、些細な音すら聞こえてこない。       …聞こえないってことは、もっと奥にいるかもしれない。     もう迷ってるヒマなんて、ない!       とにかく俺は、急いで奥へと向かった。                         ―――――――――――――― 手越side.   最近、どうやら僕は苛められているらしい。   事の発端は、数週間前の靴が無くなったことから。   そして間が開かずに、サッカーしてたら殴られて(山下くんが助けてくれたけど…)     多分、僕が助けられたのが余計奴らの神経を逆撫でしたようで、僕がひとりのとこを狙って襲ってくる。       とにかく、こんなことバレたらみんなにはもちろん山下くんに迷惑をかけてしまう…   そんなのだけは堪えられない…! ひたすら隠してきたけど、さすがにみんな僕を怪しんでる、特に山下くんが。     どうしたら怪しまれないかってひとりで考えながら、洗面所で顔を洗っていたら奴らに捕まって、知らない建物に連れられてぶん殴られて部屋に閉じ込められて現在に至るけど。     なんとか動くカラダで、フラフラになりながらドアまで歩いて開けたらちょうど奴らが入ろうとしてた。     『なにやってんのかな?手越くん』 「っっぐっ!!!!」 『ナメたマネばっかしてるとマジでキレるぞ!!』 頬やら腹を殴られ蹴られで、意識が遠くなってきたよ…         バンッ―――――――――――――   派手な音がドアからしたのを最後に、僕の意識は完全に失った。     
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