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みひろがいなくなって2ヶ月が過ぎた。
季節は夏♪から秋…そして冬に変わろうとしていた。
「ゆうくん、お母さんいつ帰って来るのー?」
みひろがいなくなってからともは、そればかり聞いてくる。
僕は来年、中学生になる。
母はまだ帰って来ない……きっと僕は中学生にはなれないんだろう…。
「とも、今日の夕飯何食べたい?」
僕ははぐらかして、お腹のすいているだろうともに聞いた。
「お腹いたい…。」
ともは、真っ青な顔をしかめてお腹を押さえていた。
「とも!?!?」
僕はともを背負って病院に連れて行った。
「保険証は?」受付で聞かれたけれど、僕達は保険証なんて持っていない。
「忘れました…。」
うつ向きながら言うと、受付の看護婦さんが説明をしてくれた。
しばらくすると、ともの名前が呼ばれた。
ともは、ベソをかきながらお医者さんにお腹を見せた。
「いつから痛いの?ゲリや気持ち悪くない?」
お医者さんはお腹の音を聞きながら言った。
「食あたりですね…お薬出しておきますから、お兄ちゃんは食べ物に気を使いつけてあげてね!」
お医者さんはニッコリ笑って言った。
「はい、ありがとうございました…。」
僕はまたともを背負って家に帰った。
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