プロローグ

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死を迎えた僕に、君に逢う術はない。 でも、君の姿は見えているし、君の言葉もちゃんと聞こえているんだ。 人は死んだら天国か地獄か、どちらかに送られるなんて話はよく聞くけれど、どうやら僕は天国に逝けたらしい。 これも君のお陰かな?、なんて。 だから今度は、僕が君にあげる番だ。 たくさんの感謝の気持ちを君に送るよ。 死を迎えた僕に、何かを買ってあげることは出来ない。 面と向かってお礼も言えないし、君と一緒に生きる約束も守れない。 だからせめて、僕が出来る精一杯の方法で伝えるよ。 君の大好きなあの虹に、僕の想いを乗せて贈ります。 少しだけ待っていてね。 この空から君の元へ届けるから――
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