水仙

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少女は少年が兄のもとに走っていたことに気付いたのです。少年の瞳には少女の兄だけが映っていました。 兄と少年は一緒に納屋の方へ歩いていきました。少女は…二人についていきました。 二人が納屋に入った時、少女は躊躇いました。ですが、気になったので扉を少し開けその陰から中を見てしまいました。 納屋の中は窓からの光が溢れて、少女と同じ栗色の髪、それと蜂蜜色の髪をやさしく照らしていました。 琥珀色の瞳から優しい眼差しが少し下に注がれていて、眼差しの先には金色の髪がありました。 少年はその蒼い瞳を瞼の奥に隠して…兄に頭を凭れかけさせていたのです。
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