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―5月18日―
それは自分の誕生日だった、昨日は真呼が風邪で休んでいた為当日に祝えなかった。
俺は女の子が誕生日を祝ってくれることが恥ずかしくてちゃんとお礼出来なかった。
「いいよ、そんなことよりお前が来たせいでゲーム負けちゃったじゃん!」
「えっ…ご、ごめんなさい…」
「一樹!そんな言い方はないでしょ!謝りなさい!」
「はいはい、ごめんなさーい」
そう言って俺は玄関を後にした。
「ごめんね真呼ちゃん一樹恥ずかしかったんだよ」
「そうですか、朝早くすいませんでした」
「いいのよ、またいらっしゃい」
「…はい」
真呼がとぼとぼ帰って行ったのを俺は部屋に戻ったと見せかけて、カーテンをあけると玄関が見える部屋へと移動してその光景を見ていた。
ガチャ…玄関の重い扉が閉まる音の数秒後、俺は母に怒鳴られた。
この時、生まれて始めてやり直したいと思った。
これが全てのきっかけとなった事に、俺はまだ気づかなかった。
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