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◆ ◆
何処かの部屋の片隅。
暗く足元もろくに見えないようなその場所で、「彼」はノートパソコンを使いとあるホームページを見ていた。
管理者不明、製作された日も閲覧人数も何も分からないそのホームページの掲示板にはただ一言、こう書かれていた。
「怪人アンサーを捜せ」
「彼」はそれを見るなりノートパソコンを閉じて部屋を後にする。
誰も居なくなった部屋には、着信を知らせる「彼」の携帯が残され、暗い部屋の天井を照らす。
翌日、部屋には沢山の警察が押し寄せ、家の主へと詰問する。
家の主は困惑した表情を浮かべて落胆していた。
どうやら、一人息子が行方不明になったらしい。
家の主へと詰問していた警官は――
「またか……」
と小さく呟きその家を後にする。
理由不明の行方不明者……
最早それはこの街では珍しい事では無くなっていた。
しかし、その事実を知るものは少なく、人々はいつもと変わらぬ日常を謳歌している。
きっと自分は大丈夫。
なんて根拠の無い自信をかざし、一人夜道を歩くのだ。
直ぐ側に、闇よりのシシャが近付いているとも知らずに……
彼らは、何時でも我々を狙っているのに……
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