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「―――――それでは、今朝の臨時ニュースです。昨夜未明から、一人の少年の行方が分からなくなり、警察では一連の少年少女連続失踪事件と何か関連が有るのではないかと視ており――」
「やーねぇ…これ、家の近所じゃないの。」
「最近多いなぁ、失踪事件。」
「またどっかの国が拉致でもしてるのかしら?草寺も気を付けなきゃ駄目よ?」
「うん、大丈夫だよ。」
此処はとある地方に存在する都市、四葉市の中にある家の中の一軒、白爪家。
今此処で家族と共に朝食を摂るこの少年が、この物語の主人公である。
彼の名は白爪草寺(しらつめそうじ)。
四葉学園高等部1年2組出席番号21番の何処にでもいる普通の男子高校生――ではない。
いや、通っている学園も学年も出席番号も性別も合っている。
間違いはない。
だが、彼を普通と呼ぶのには些かの抵抗がある。
それは彼の特技が、若干常識外れな所があるからだ。
とは言え、それは別段人間離れしていると言う訳では無い。
彼の身体能力は一般的なレベルであり、特別高い訳では無い。
知能指数に関してもそれは同じだ。
ならば何が常識外れなのか?
それは物語の中で次第に語っていくとしよう。
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