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「行って来まーす。」
午前7時30分、草寺は朝食を終えるといつもと同じように学校へと登校する。
家から四葉学園までは距離にして僅か500m。
走れば1分も掛からずに着いてしまう距離だ。
「草寺、おはよう。」
校門前、草寺は後ろから声を掛けられ振り返る。
そこに居たのは、何時も通り学校指定の制服の下に黒いTシャツを着た高等部3年の空不創(からずつくる)。
急いで家を出たのか、何故か短い筈の黒髪が寝癖で爆発したようになっている。
「おはようございます、先輩。」
「今日は部室でミーティングだからな。遅れるなよ?」
「分かってますよ。」
そんな会話を交わすと、創は走って学園の中へと入って行く。
始業時間は8時でまだ時間にはかなり余裕があると言うのに、何を急いでいるのやら。
「また部室に何か忘れたのかな?」
そんな事を言いながら、草寺も続いて昇降口から学園の中へと入る。
私立四葉学園――
広大な敷地を保有する小中高大一貫校で、国内屈指のマンモス校である。
そして、それ故にこの学園には不思議な特技を持つ子供や教師が多く在籍している。
そして、それ故に不思議な噂が絶えないのも特徴だ。
「―――だって!」
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