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「はい、これ」
そう言って渡されたボールペンとスピーカー
「分解なんてしないであります。大事に預かっておくであります。」
そう『預かっておく』のだ、けして『貰う』のではない。また、いつかきっと私のもとへ帰って来て欲しいから。
「またね」
「…!!」
あぁ、行ってしまう…
嫌だ!!
行って欲しくない!!
だって
「勇者殿!!」
「!!」
だって自分は
「自分は…自分はずっと勇者殿のことが…」
机を乗り越え、あなたに抱きつく。
そして、あなたとの距離を縮める。
だがそこまでだ。重なることはなかった。
「勇者殿?」
「リコ…、それはまた今度、僕が帰って来た時の為にとっておいてくれないかな」
「でも勇者殿が帰ってしまわれたら…」
「忘れない、絶対に忘れないから!!リコと過ごした日々も、僕のリコへの気持ちも」
「だから、待ってて…必ず帰って来るから」
「ずっと、ずっと待っているであります。」
ずっと、ずっと…
ボールペン、スピーカー
あなたとの3つ目の誓いの品はあなたへの愛
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