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はじめまして トウヤ と申します。
時期は初夏。
今いる場所は、生まれ育った小さな街【ポットマム】にある、学校の寮で自分に割り当てられた部屋。
ちなみに、この部屋は双子の兄である、トウマと共同使用。
今日は休日で、兄トウマは二段ベッドの下段に腰掛け、読書。
俺は備え付けの勉強机で、明後日提出予定の数学の宿題の真っ最中である。
そんな静かな昼下がりの中、ばん!と、いう騒音(爆音?)...いや、破壊音が、いきなり部屋中に響いた。
「お。ちょうどいい」
此方としては、何も丁度よくなどない。
いきなりのことで、シャーペンの芯が勢いよく折れたではないか!
できることなら、ノックをしてから扉を開けて欲しい。
「いつも言ってるだろう?ノックしろよ」
「そんなことより、お前らに頼みたいことがある」
俺のセリフは完全スルー。反省の色ゼロ。
扉の前に立っているのは、幼少時より共に過ごしてきた少女、アイラが男顔負けの堂々たる風格で仁王立ちしていた。
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