-1- 物事のきっかけって、些細なことなんだ。

2/9
前へ
/20ページ
次へ
はじめまして トウヤ と申します。 時期は初夏。 今いる場所は、生まれ育った小さな街【ポットマム】にある、学校の寮で自分に割り当てられた部屋。 ちなみに、この部屋は双子の兄である、トウマと共同使用。 今日は休日で、兄トウマは二段ベッドの下段に腰掛け、読書。 俺は備え付けの勉強机で、明後日提出予定の数学の宿題の真っ最中である。 そんな静かな昼下がりの中、ばん!と、いう騒音(爆音?)...いや、破壊音が、いきなり部屋中に響いた。 「お。ちょうどいい」 此方としては、何も丁度よくなどない。 いきなりのことで、シャーペンの芯が勢いよく折れたではないか! できることなら、ノックをしてから扉を開けて欲しい。 「いつも言ってるだろう?ノックしろよ」 「そんなことより、お前らに頼みたいことがある」 俺のセリフは完全スルー。反省の色ゼロ。 扉の前に立っているのは、幼少時より共に過ごしてきた少女、アイラが男顔負けの堂々たる風格で仁王立ちしていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加