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彼女がいきなりドアを破壊せんばかりの馬鹿力で開け放つのは、いつものことなので慣れたのだが、俺はいま、明後日提出予定の宿題の真っ最中である。
大事なことなので2回言った。
大体、アイラがこのように突然現れるというのは、俺にとって、いや、俺たち双子だけではなく、彼女に関わるすべての人々に当てはまることだとは思うが...。
ロクなことがない。
「...頼み...?」
俺のノック問題を華麗にスルーし、気になった彼女のセリフを繰り返したのは我が兄、トウマである。
彼が言葉を発するのは、あまり多くはなく、そのセリフもほぼ単語に近い感じである。
物心ついた時には、このような喋り方だったので、今更気にしたことはないが、いざ説明してみろ。と言われると、なぜ彼がこのようなスタイルでしゃべっているのか、きちんとした理由はよく知らない。
今度、機会があれば本人に聞いてみよう。
「実は親父から、たまには実戦経験もいいだろうとモンスター退治に連れて行ってくれることになった」
この世界には、人々の住む街や国などの居住区域から、一歩外に出ると凶悪なモンスターの徘徊する野外区域がある。
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