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申請が通ったかどうかは、今の時点で定かではないが、
彼女の持ってきた話に、珍しく二つ返事で決まった。
「よし、二人も参加だな。あとは優花が一緒行くことになっている」
「そういえば、同室だったな。優花もかわいそうに」
優花というのは、一昨年王都から引っ越してきた、クラスメイトの一人だ。
当時一人だったアイラのルームメイトになって以来、アイラに振り回されるお仲間となったのは、我らクラスメイト誰もが同情する不運少女である。
「私は優花の武器がものすごく気になる。あれは初めて見たぞ」
「...俺も...」
入学したときの身体測定の際、俺は比較的運動向きということで剣術に向いているらしく、大剣を使ってる。
トウマは俺と真逆で、頭脳派である魔術を使う。
アイラは、短い双剣が向いているという、先生の判断なのだが、全く役に立っているのを観た事がない。
そして、今話題の優花というと、木でできた棒をしならせ、糸で結んだ武器、弓矢を使う。
俺たちだけでなく、先生も初めて見るというその武器の性能は遠距離援護型である。
「そういえば、まさか今から行くとか、そういうこと言っちゃったり?」
できることなら、あと2問で終わる宿題を先にやりたいところなのだが...。
いま、乗ってきたところなんだよなぁ。
「さっさと支度しろ。もう待ってる」
.....ですよねー。
アイラが扉を開けた瞬間から、この宿題は夜になる気がしていたんだ。
「...はい...」
声のした方を向くと、いつの間にかトウマはいつもの魔術師をイメージした制服に着替え、俺に早くしろと言わんばかりに制服と大剣を差し出してきた。
さらば、俺の睡眠時間!
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