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~過去4~
「さあリシェ、今日からここがお前の家だ」
「ここがボクの家?」
「そうだ、そして私がお前の父親になるんだ」
「父親?」
「そう、お父さんだ」
「お父さん…」
「リシェが私の言うことを聞いて良い子にしている限り、私はお前を息子として愛する」
「はい…」
「では、家の者に紹介しよう…と言っても、私は独身だから、使用人と仕事仲間兼リシェの家庭教師しかいないがね」
「ボクの家庭教師?」
「そうだ、リシェにも私の仕事を手伝って貰う…その為の家庭教師だ」
「お父さんの仕事?」
「いずれ分かる」
「はい」
「っ!!………また…あの時の夢…か」
「リシェ?」
「すまない…起こしたか…」
「気にするな…酷い顔色だな」
「そう…か?」
「真っ青だ」
「夢見が悪かったからかな…」
「リシェ…一人で抱え込むなよ?」
「いや、大丈夫だ…もう過去の事だから…」
「泣きそうな顔で言うセリフじゃないな」
「っ!?」
「泣きたいなら泣いてもいいんだぞ?無理するな…」
「今泣いたら過去に囚われる…全てにケリを付けてから泣くことにする」
「そうか…その時が来るまでの間、俺はリシェに何をしてやれる?」
「傍に…傍に居てくれるだけでいい」
「分かった、いつ如何なる時も、リシェの傍に居ると誓う」
「ありがとう」
…暗い…暗いなぁ( ̄▽ ̄;)
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