prolog 涙

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涙が零れる。 まだ、僕は泣くことができたんだ。 感情を捨て、心を殺すことで今まで生きながらえてきた命。 辛いことを受け入れ、諦めることで僕は『自分』を保ってきた。 乾いた心と身体。 でも、今どうしようもなく悲しいんだ‥ 温もりが、命が消えてしまったあの人の姿が。 どうして‥? 堰を切ったように流れる涙を止める術も僕はわからず、『あの人だったモノ』に抱きつき、泣きじゃくるしかできなかった。
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