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「患者も丁度いないみたいだし始めようか」
「あ、あの~俺、頭のどこにも悪いところは無いんですが……」
「頭???何のことだい?ただ彼女について話がしたいだけだよ?」
すると、やり取りを聞いていた"彼女"はどうやら堪え切れなかったらしい。
静寂から突如大爆笑。
『プッ、アハハハハハハハ!!!頭って……キミ、本当に診てもらった方がいいんじゃない?』
我慢しろオレ!我慢だ!ムカつくがここで言い返したら電波少年になっちまうぞ!
「じゃあ始めようか…君は彼女とは違う高校みたいだけど、いつから友達だい?」
一瞬、俺は先生の質問に戸惑った。実は今日が初対面なんです~(笑)……なんて言えるはずがない。
また適当に話して、受け答えすればいいか。
「ええと、同じ塾に通って……」
「彼女、塾なんて行ってないみたいだよ?」
ウソ!?だって、ベテルギウスの生徒の9割は行ってるって聞いたのに!
『キミって、頭悪いの?高校の内容なんて授業受けてれば十分じゃない』
ベテルギウスってAランク進学校だろ!?マジかよこいつ。
「やっぱり本当は知らないみたいだね」
ウソがばれた俺は思わずビクッとなってしまった。
『まぁ大体の察しは付いてたけどね。本題に入る前に一様確認しておくよ』
友達じゃないと分かった奴にこれ以上何を聞くってんだ。
そう思いながらも、まっすぐ俺を見た先生はゆっくり口を開いた。
「単刀直入に言うけど……君の中にいるのは中田佳奈さん、だね?」
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