序の刻 神様と願い事

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序の刻 神様と願い事

昔、昔で始まる不思議な物語は多い。 それはその時代の知識では説明ができないような出来事が“不思議なこと”として語られていたからだ。 科学が発達し、様々なことが科学で説明されるようになった現在ではその“不思議なこと”はすべて科学で解明されようとしている。 でもな、まだ科学で解明されないことだって多い。 妖怪とか幽霊とか未確認生物だとかがいい例だ。 科学が発達した世の中でも解明されない、それどころかいくら科学が発達しても“解明できない”。 そんな存在だってまだまだ多い。 視えたり、聴こえたり、気づかないだけで案外君のすぐ近くにいたりな。 ……ああ、怖がらなくてもいい。 彼らのほとんどは理由なく人間に危害を加えることはしないからな。 もっとも最近ではそういった“モノ”を認識できる人間も減って少し悲しいが……。 おっと、話が逸れたな。 さて、今日は私と縁が深いある店について話そうか。 ある街の都市伝説で語られる、人々に“キセキ”を送る店の話を、ね。
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