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「大勢で二人を囲むとは下衆どもが……恥を知れ!!」
金髪の長い髪を後ろで一つに束ねた男子生徒が僕らを背に隠すようにメギア先輩と対峙していた。
「せ、生徒会長……」
メギア先輩は狼狽えながら数歩後ずさりした。
「この俺がこいつらの代わりに相手をしてやろう。ありがたく思え」
そう言って腰に帯刀している剣を抜き放った。
柄も刀身も全てが真っ白な剣。断罪の剣‐エクスキューショナー‐
メイジ・ナイトを超えたヨクネル魔術学院の生徒代表組織、生徒会執行部のトップであるレイト・シュバルツ生徒会長は今年度の中等部最強と言われている。
それこそ束になっても勝てないとは正にこの人の事を言っているに違いない。
メギア先輩の手下は速効逃げていき、屋上に残されたのは三人となった。
「大丈夫か?ステラ……」
シュバルツ会長はそう言ってマールス先輩の様子を伺う。
「はい、なんとかカイン君を守りきる事が出来ました。ありがとうございます、会長」
マールス先輩はヨロヨロと立ち上がるとそう言って会長の方を見た。
「そうか……いいメイジに出会ったのだな……」
会長はマールス先輩に微笑み掛けて、次いで僕の方に顔を向けた。
「お前も良く逃げ出さなかったな……その蛮勇は誇っていいぞ」
そう笑いながら会長は出口に向かって歩いて行った。
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