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中等部に上がり、魔法の授業が本格的に始まった。
初等部までは基礎知識を評価の対象にしていたため、勉強すれば誰でもトップクラスの評価を貰う事ができる。
しかし、中等部からは実技が本格的に入ってくる。
要は魔法の素養が評価の対象に入ってくるのである。
大抵のメイジが全四系統(土、火、水、風)を使えるのに対して、僕は魔法が1系統しか使えなかった。
土系統のさらに限定して鉄に関する記述の術式のみ。
そんな応用性の低い魔法しか使えない僕は次第に「鉄屑」と呼ばれるようになった。
「今日ってなんかあるのか?」
「知らないのか?今日は2年生の先輩がパートナーを選ぶ大事な日なんだぜ」
「それで変な雰囲気なのか……」
男子生徒二人がそんな事を言いながら僕を追い越して行った。
僕の名前はカイン・バレット。
僕の通う学校、ヨクネル魔術学院は小・中・高・大のエスカレーター式の学校である。
そして多くの優秀な魔術師と従騎士を輩出してきた名門こうである。
ここにはメイジクラスとナイトクラスがあり、中等部2年の半分を過ぎた頃になるとメイジクラスとナイトクラスのペアを決める行事が行われる。
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