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しかし、同学年から選ぶ決まりもなければそもそもパートナーを見つける義務もない。
そして、全ての生徒に拒否権と受諾権があり、2年生にのみ申し込む権利があるのだ。
その日が年に1回、つまりは今日なのだ。
まあ、知っていても僕は落ちこぼれで相手にされないのだから関係のないイベントなのである。
頭の中でそう結論付けると僕は憂鬱な1日を過ごすために学園までの坂道を上り始めた。
坂の終盤、校門近くに差し掛かった時だった。校門の周りに野次馬が集まり道を塞いでいるのだ。
僕は鬱陶しく思いながら野次馬の脇を抜けて校門を潜る事にした。
少ししてようやく開けたところに出た時だった。
「メイジクラスのトップとナイトクラスのトップが契約を結ぶのはこの学校の伝統です」
メイジクラスの2学年主席がそう言って目の前の女性に迫っていた。
「それは決まった相手がいない時の話よ」
そう言って女性は反論した。
赤髪で色白の女性。整った顔立ちの凛々しい女性という感じがする。
「ほう、もう相手が決まっていたんですか?是非私にも紹介して欲しいですね」
男子生徒は尚も食い下がっていた
会話の内容から、どうやら言い寄っている男子生徒がクルス・メギア先輩でその対面にいる女子生徒がステラ・マールス先輩だろう。
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