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「お前はいったい誰なんだ!?」
隠そうともせずに言葉に怒りを乗せて聞いてきた先輩に僕は怯みながらも、声を絞り出して自己紹介をした。
「め、メイジクラス1年D組のカイン・バレットです」
「D組……ダメ組の分際で最強のナイトを所望するというのか?」
声には明らかに侮蔑が混じっている。
数十秒睨まれ、何かされるのかとビクビクしていたが、そんな事も無くメギア先輩は踵を返して校舎の方へと歩いて行った。
その後野次馬もいなくなり、校門前にはマールス先輩と僕が残された。
聞きたいことがあるんだが切り出せずに僕らはただ突っ立っていた。
その静寂を破ったのはマールス先輩だった。
「昼時に屋上に付き合って貰ってもいいかな?」
「は、はい、わかりました」
僕らはそんな短い言葉を交わしてその場を後にした。
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