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「やあ、バレット君」
その声と共に僕を出迎えたのはメギア先輩とガラの悪そうな生徒たちだった。
「マールスの奴に呼ばれたんだろ?残念だがそれは無しだ」
メギア先輩はそう言って僕に近づいて来た。
「ま、マールス先輩はどこですか?」
僕はメギア先輩から目を逸らさないように聞いた。そんな様子をつまらなく思ったのかメギア先輩は舌打ちをして後ろを向いた。
「君に契約を破棄して欲しくてね」
メギア先輩はそう言って集団の近くに戻ると僕の方に向き直った。
ああ、そういうことか。マールス先輩は自分で言いにくくて、頼りたくは無いが使い易いメギア先輩に頼んだのか……
僕は自分の中でそう結論付けると妙に気持ちが落ち着いた。
「なんだ、そのことでしたら僕の方から断りに来たんで、僕は契約を破棄します」
僕のその言葉にメギア先輩は目を見開いて驚いたがその顔は直ぐにニヤニヤとした物になった。
「そうですか!そうでしたか!!いやいや、懸命な方で助かりましたよ」
メギア先輩はそう言うと指を鳴らした。
すると壁になっていた集団が横に退いて後ろの景色が姿を現した。
予想外の光景が……
ありえない光景が……
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