0人が本棚に入れています
本棚に追加
「君からさっきの言葉を言ってあげてください」
両手両足を封じられ……
「なかなか説得に応じてくれなくてですね~」
生きているのかもわからない程に衰弱して……
「全く頑固なんですから……」
彼女はそこに居た。
「君もそう思いませんか?」
「ホントですね……」
僕はそう呟きながらゆっくり彼女に近づいて行く。
視界に口の端を釣り上げたメギア先輩が居るが僕の意識は既にそんなものに注意を注いではいなかった。
ありえないでしょ。 こんな無能との契約を守ろうとするなんて……
意味がわからない。 こんなになるまで破棄しないなんて……
「マールス先輩……」
「カイン君……すまないな、こんな格好で……」
場違いだ。 この状況でその返答は……
「……ありえないですよ、まったく……」
僕はそう言うと後ろを振り向きメギア先輩と対峙した。
たとえこの行いが愚かであろうとこの人を裏切るなんて許されすはずがない!!
最初のコメントを投稿しよう!