No.1

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父弘海の話によると、連帯保証人になってた友達の会社が倒産し、夜逃げをしたらしい。 さっき来ていたのは借金取りだったのだ。 私は覚悟を決めた。 「私…一ノ瀬グループに行くわ」 「七海…」 辛そうに顔を歪めた兄が名前を呼ぶ。 「風俗に売られるよりマシよ。私は大丈夫だから、直ぐにさっきの人に連絡して」 「七海…本当にいいのか?」 苦痛を隠しきれない父が問いかける。 「大丈夫!さぁ、早く」 今にも泣き出しそうな母を横目に私は極めて明るく言った。
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