第6章 『白い天使』

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そう、樹利さんからまりあがかえってないことを聞かされたあと、心配で居たたまれなかったけど、僕は窓の外を眺めていただけだった。 雄太君はきっと躊躇もせずに外に出たんだろう。 そして東京から車を飛ばして横浜まで来て、豪雨の中まりあを探したんだ。 でも、どうして? どうして雄太君はそこまでするんだろう? やっぱり特別な想いがあるからなんじゃないのかな。 なのにどうして雄太君はまりあをフッたんだろう? 『分からないのは僕がまだ子供だからなのかな』 とシンは解せないように腕を組み、メイリンは『さっきから何を言ってるの?』と小首を傾げていた。
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