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「……何事もなくないよ。
雄太君にとっては大問題かもしれないね」
目をそらしながらそう言ったまりあに、雄太は「えっ?」と眉を寄せた。
「寝込んでる間、ずっと『こんな特異な力なんていらない』って訴え続けたの。
そしたら願いを叶えてもらったの。
私ね、もう何も感じない。
オーラの色も、色んな波動も分からないし、姿なき者の声も聞こえない。
本当にごく普通の女の子になったの。
翡翠だってつけてないし、自分の気の流れだって分からないもの」
強い口調で一気にそう言ったまりあに雄太は大きく目を見開いた。
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