第6章 『白い天使』

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「……何事もなくないよ。 雄太君にとっては大問題かもしれないね」 目をそらしながらそう言ったまりあに、雄太は「えっ?」と眉を寄せた。 「寝込んでる間、ずっと『こんな特異な力なんていらない』って訴え続けたの。 そしたら願いを叶えてもらったの。 私ね、もう何も感じない。 オーラの色も、色んな波動も分からないし、姿なき者の声も聞こえない。 本当にごく普通の女の子になったの。 翡翠だってつけてないし、自分の気の流れだって分からないもの」 強い口調で一気にそう言ったまりあに雄太は大きく目を見開いた。
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