プロローグ、これからだってのに

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『ワイが誰かって訊きたそうな顔しとるな。 ワイはキミらが言う神───「ふんもっふ!!」あぶなぁっ!!』 関西弁の金髪イケメンに一瞬で肉薄し右手を引き抜き右ストレートを放つが、 金髪イケメンは『危ない』と言いつつも軽々と避ける。 クソ、これがイケメン補正か? 『いきなりなにするんやキミは!』 「いやぁぐぉみぇんぐぉみぇん。 恥ずかしさとイケメンに対する苛立ちからつい渾身の右ストレートを放っちゃったよ」 『キミのイケメンへの充分過ぎる憎悪の念はなんや!?』 「煩い黙れ公害。お前が呼吸するだけで俺達ブサメンとフツメンは排気ガス以上に苦しめられるんだよ」 非道い!と叫ぶイケメンに今度は左フックを放つが、また軽々と避けられる。 いい加減腹が立つし面倒なので天才ストライカーばりの蹴りをお見舞いしてやった。 『痛い!』 黙れ本当に殺すぞ? 『いや、本当にごめんなさい。 産まれてきてごめんなさい』 「ふむ、よろしい」 自称神(らしい、こいつの誇大妄想かも知れないが)の金髪イケメンのつむじを眺め踏んづけながらほくそ笑む。 イケメンの無様な格好ほど面白い物は無い。
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