プロローグ

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説明を求められれば事実を淡々と私情を絡めることなく率直に、時に冷徹に語る団長 思えばいつもこんな感じだったと思う 「しかし…失敗すれば王国が滅ぶ、一体どんな依頼なのですか?」 だが今回はいくらなんでも大袈裟な気がする、団長が事実を話したとしてもそれは、'王国が伝えた、王国の真実'の可能性もある 「そうか、まだ言っておらんかったな、内容は敵新兵器の破壊だ」 「新兵器……具体的にはどの程度の規模がダメージを受ける兵器なのですか?」 「うむ、王国の国土が一発で三割は消し飛ぶ、事実消し飛んでおるしな」 「っ!?」 今回も残酷な事実を、団長は残酷なまでに淡々と、冷徹に語った 「国土の三割?………わかりました、俺…やります」 「ふははっ、お前ならそういうと思った、頑張ってくれ、作戦の決行は五日後の真夜の日だ、それまでにここの敵を片付けておけ」 「……了解しました」 「………すまんな、お前が忌み嫌うような作戦ばかり押し付けて」 「仕方ありませんよ、多分それが俺の定めなんです」 「お前も…変わらんな」 「………」 悲しそうに言う団長に俺は応えなかった、応えたら泣き出してしまいそうだったから そんな俺を見て団長は、更に悲しそうな顔をしてふっ…と笑うと 「作戦には二名の同行者が居る、二人共、他支部の隊長格だ、三日後に此処に来る、作戦の打ち合わせをしておけ」 そう、言い残し去った
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