プロローグ

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「なに、ちと暇だったものでな、久しぶりにクロイツをからか………に会おうと思いな、出てきたわけだ」 「いま、からかおうと思って…と言いそうになってましたが……しかし団長、一団員ですらこの忙しさなんです、団長が暇な訳がないと思いますが?」 さっきまでボーッとしていたことを地平線の彼方に流しつつ、ジト目で団長を見るマータム 「うむ、まぁ暇ではないな」 「やはりですか…」 会いに来てくれたのは嬉しい、だからといって執務をサボるのはどうかと思う 「しかし…暇ではない……ということは、団長?何か顔を見る以外に俺に用が有るんじゃないですか?」 団長はかなりいい加減な性格をしているが、団に関係することに関しては真面目で有能だ、なにせ命を預かる立場なのだ、いい加減にされては困る そして団長は無駄なことをしない、するのは、用件のついでに可能なときのみだ、つまり今回のように、顔を見に来たは、そのままの意ではなく '用件のついでに顔を見に来た'になるのだ 「はっはっは、さすがクロイツ、見破られていたか」 どうやら正解だったらしく、爽やかなのか豪快なのか分からない笑い声を上げる団長 「まぁ…それなりには長い付き合いですし」 「ふははっ、違いない」
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