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「それで?団長がわざわざ出張ってくるということは、それなりに重要な用件とお見受けしますが?」
「まぁ、そうだな、ちと難儀な案件でな、個人的な依頼なら部下に任したのだが、なにせ王国からの依頼なのでな、俺が直接渡した方が安心だ」
「王国からの…しかし王国からの依頼を何故、俺に?」
「まぁ…内容がちと他の者には難しそうでな、お前なら達成できそうだった…それだけだ」
「はぁ、そうなのですか?ということは…殲滅ですか?破壊工作ですか?」
'また'大量の死をこの手でもたらさなければならないのか、と多少声のトーンを落としながら、マータムは団長に聞いた
「ふははっ…まぁそんなに嫌がるな、今回は後者だ、しかも成功すれば多くのものが助かって、失敗すれば……王国が滅ぶ、重要でお前の好む人命救助を主な目的とした作戦だ……尤もそんなものは単なる建前で、実際は王国の防衛のようなものなのだがな」
団長は笑いながら、そう言った、だが、事はマータムが考えていたよりも深刻なようだった
「団長……失敗すれば王国が滅ぶ…とは?いったい?」
「ぬ?そのままの意味だぞ?王国が滅ぶ…具体的には国土は荒れ果て人口は激減、その上生き残ったものも奴隷として扱われるであろうな、まぁ…傭兵団たる我等には関係の無いことだがな」
「………相変わらずですね…団長」
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