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「《白》の紗雪。いかにおまえが手練(てだ)れでも、この人数ではかなうまい。嬉しいぞ。おまえのような大物をこの手で始末できるなんてな」
じゃり、と白い玉石を踏んで、長身の男が一歩前に出た。
黒い羽織袴に総髪、腰にさした長い刀……まるで時代劇から抜け出てきたかのような男だ。
眼光が異様に鋭く、左目に黒い眼帯をしている。
大物の一人だ。
紗雪は、冷やかな嘲笑をふっと唇に刻んだ。
「笑わせるんじゃねぇよ。一人じゃ何もできねぇクズどもが。死ぬのはてめぇらの方だぜ」
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