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そうやって言い合っている間にも、召喚は続く。
福村「平井結子、早く来い」
勝「ほら、出番だぞ」
結子「わ、分かってるわよ!」
そう言いながらも、結子の表情は固い。魔方陣へ向かう足が震えている
「では、平井さん。召喚の呪文は覚えていますか?」
結子「はいっ! だ、大丈夫です!」
未だに緊張がほどけない結子。
勝「あいつ、本当に大丈夫かよ……」
結子を見ながら、俺は小さく呟く。
「では、召喚を始めてください」
結子「は、はい! 『我の剣となり、盾となる永遠の友よ。今、その姿を我に示せ!』」
結子が召喚の呪文を言うと、魔方陣が赤く光る。
そして、その光が結子を包みこんだ。
勝「さて、あいつは何が出るのやら。楽しみだ」
未だに姿の見えない結子を見つめる。
勝「ま、あいつの性格じゃ、ろくな使い魔じゃねえだろ」
ニシシと使い魔が出た時の結子の反応を想像する。
すると、漸く光がおさまった。
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