極東支部第一部隊

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極東支部第一部隊

「新たに配属された新顔を紹介するぞ」  第一部隊の面々がエントランスの二階に集められてた。 「へぇー、また新顔かぁ。アリサ、また後輩ができるな」 「ええ。そうですね」    アリサはコウタの隣にいて冷静にコメントするが、嬉しそうな笑顔を隠しきれていない。  そう、コウタが言うようについ最近、極東支部にアネットとフェデリコという新人が配属され、現在二人はアリサの指導を受けている。  アリサは『私にも後輩ができたんですね』とはりきってしまって、最近一緒に任務をしていなかったりする。 「フェンリル本部より本日付けで配属になりました、神薙カイトです。よろしくお願いします」  カイトはツバキの隣に立ち、静かに頭を下げた。  無表情だが、少し陰りがあるように感じた。 「桜庭。カイトは今後、お前について行動させる。新型神機の戦術は私よりお前の方が詳しいだろう。いいな?」 「はい。わかりました」  答えると、アリサがちょっと不満げな顔を向けてきた。  アリサに苦笑気味に笑いかけていると、ツバキは言う。 「じゃ、あとは任せる」  ツバキが去った後、アリサとコウタがカイトを囲んだ。 「本部から来たんだよな? じゃ、すんげー強いんじゃん」  コウタが彼に顔を近づけて、ニンマリ笑った。 「いや、それほどじゃ――」  カイトが少し肩をすくめながら、控えめに答える。  なおも続けようとしたコウタを、アリサが押しとどめた。 「コウタ、さすがに近づきすぎです。 ――自己紹介がまだでしたね。私はアリサ・イリーニチナ・アミエーラといいます。 そして、こっちが藤木コウタ」  アリサはコウタの服の襟首を持ちながら言う。 「おいアリサ、俺の紹介素っ気なさすぎね?  ――ま、いいや。んで、フードかぶってんのがソーマ」  カイトがソーマを見た。  フードを深くかぶったソーマは、腕組みをしたまま目を閉じている。  アリサはコウタを解放して、後を引き継いだ。 「そして、我らがリーダーです」  リーダーと呼ばれた青年は、苦笑を浮かべた。 「俺の名前は紹介してくれないのかよ」
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