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しばらく歩いていると、規則正しい足音がした。
俺はカイトに手で、止まるように合図を送る。
彼はそれに頷き、立ち止まった。目はもう、冷静な光をたたえていた。
陰から顔を出すと、巨大なターゲットがゆっくりと歩いているところだった。
「俺が出る。お前は射撃で援護してくれ」
カイトは声を出さず、頷く。
それに頷き返すと、気づかれないように一気に距離を詰めた。
クアドリガの背後につくと、神機を水平に構え、一息に薙ぐ。
「ハアッ!」
大木のような太い脚が断ち切られ、二本とも黒い粒子となって散らばった。
「グオオォォ」
そこでやっと俺の存在に気付いたクアドリガは、威嚇に声を上げた。
しかし、もうそんなことにも慣れた。
アラガミはこちらに向き直ろうとするが、後ろ脚を両方とも失ったので、少しもたつく。
俺はその隙にクアドリガの側面に移動すると、一気に飛び上がる。
同時に神機を振り上げ、右のミサイルポッドを切り落した。
クアドリガは苦悶の声を上げると、着地した俺を踏みつぶそうと、キャタビラでできた前脚を上げる。
「させるかっ」
カイトの声が聞こえ、青い軌跡が三つ見えた。
氷属性の貫通弾が立て続けに当たり、巨大な体が揺らいだ。
「ありがと、カイト!」
俺はキャタビラの隙間に神機を差し込み、一気に振り切る。
キャタビラが中ほどから下が黒い粒子となって消えた。
「グオオォ」
前脚を切断され、クアドリガの体が斜めに傾ぐ。
「喰らうぜっ」
俺は神機を捕食モードに変え、クアドリガの肉を喰いちぎった。
大量のオラクル細胞を取り込んだため、身体能力が跳ね上がる。
俺はクアドリガから少し距離を取りながら、銃形態へとシフトチェンジする。
「カイトっ」
呼びかけに反応して、カイトが神機を剣形態に戻しながらクアドリガに向かっていく。
タイミングを合わせ、俺はカイトに向かってバレットを撃つ。
リンクバースト。
アラガミから取得したバレットを相手に向かって撃つと、相手は強制的にバースト状態となる。
「とどめだ、一気に行けよ!」
「ああ!」
カイトは力強く頷くと、リンクバーストによって
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